Amazon広告の除外キーワード|ACoSを下げる「切る・残す」の判断基準

結論から言うと、Amazon広告の除外キーワードで最初に見る指標は、検索ワードレポートの「クリック数」と「ACoS」の組み合わせです。Amazon Ads公式ガイドが推奨する評価開始ラインはクリック数20回以上で、そのうえでACoSが概ね50%を超える状態が続く場合を除外候補とするのが現場の判断ラインです(20回以上は公式推奨、50%は現場目安。出典は本文参照)。ただし、学習期間中のキーワード・指名(ブランド)キーワード・上位表示の入口になっているキーワードは、数値だけ見ると悪く見えても即座に切らず、まず様子を見るのが基本です。除外キーワードは「悪いものを消す作業」ではなく「広告費の配分を絞り込む作業」として扱うと、判断がぶれにくくなります。

この記事でわかること

  • 除外キーワードで最初に見るべき指標と、除外を検討するライン
  • 検索ワードレポートのどの数値を、どのくらいの頻度で確認するか
  • 完全一致・フレーズ一致、キャンペーン単位・広告グループ単位の使い分け
  • 除外してはいけない3つのケース
  • 除外した後に確認すべきこと

監修:株式会社Entech 編集部|最終更新・情報確認日:2026年7月29日

なお本記事は、広告アカウント自体が正常に稼働していることを前提にしています。アカウントの停止や再出品など土台の部分に課題がある場合は、除外キーワードの調整より先にそちらの解消が優先です(参考:Amazonセラーアカウントを作り直す方法|解約・退会と停止の違い・POA申請・審査突破【2026年版】)。

除外キーワードがACoS改善に効く理由

自動(オート)ターゲティングは、Amazonの機械学習が商品ページの内容から関連しそうな検索語を広く拾う仕組みです。広い分だけロングテールの掘り出し物を拾える一方、想定していない検索語にも出稿されます。たとえばコーヒーフィルター単体を売っているのに、オート広告が「コーヒーメーカー 分解」「コーヒーメーカー 修理」のような、購入意図の異なる検索語まで拾ってしまうようなケースです。マニュアルターゲティングでも、部分一致・フレーズ一致やカテゴリーターゲティングは同じ理由で意図しない面に広告が表示されることがあります。除外キーワードは、こうした「狙っていない検索語への出稿」を止める調整です。広告費の総量を変えずに無駄な支出だけを削れるため、ACoS改善の打ち手の中でも着手しやすい部類に入ります。

ただし、ACoSという比率だけを下げることを目的化しないよう注意してください。広告費はもともと、自然検索での販売数を底上げするための投資という側面があります。除外を重ねてACoSの数字だけが良くなっても、広告経由の販売数の絶対値まで大きく減ってしまっては本末転倒です。除外キーワードはあくまで「無駄な支出を削る」ための調整であり、「出稿量そのものを絞る」ための施策ではない、という前提を持っておくと、後述する「切ってはいけないケース」の判断がしやすくなります。

除外キーワードの判断基準 早見表

実際の判断では、下表の項目を単独ではなく組み合わせて見ます。クリック数が足りない段階でACoSだけを見て切る、という判断は避けてください。なお、クリック数20回以上たまってから評価するという開始ラインはAmazon Ads公式ガイドの推奨事項です(出典:Amazon Ads公式ガイド「スポンサープロダクト広告のターゲティングガイド」advertising.amazon.com/library/guides/targeting-with-sponsored-products・確認日:2026-07-29)。一方、ACoSが概ね50%を超えるという切るラインは、クリック数の目安がたまった後に現場で使われている判断ラインであり、Amazon公式が定めた数値ではありません。

確認ポイント見る場所目安判断の方向
クリック数検索ワードレポート「クリック数」20クリック以上(早期判断なら10クリック前後でCV有無を確認)目安に届くまでは除外を保留
ACoS検索ワードレポート「ACoS」概ね50%超が除外検討の目安の一つクリックが十分でACoSが高い場合は除外候補
注文(CV)の有無検索ワードレポート「注文数」クリック数が目安に達してもCVが0除外候補(用途外の検索語である可能性)
インプレッションの伸び検索ワードレポート「インプレッション数」表示回数だけ急増しCVが伴わないマッチしている面が広がりすぎているサイン
フェーズ(立ち上げ期か)自社の販売状況CV数そのものを増やしたい初期段階除外を急がず、まずCPC調整で様子を見る

どのレポートのどの数値を見るか

除外キーワードの判断材料は、検索ワードレポート(Amazon Ads公式の呼称。実務では「検索用語レポート」と呼ばれることもあります)から取得します。Amazon Ads公式ガイドでは、オートターゲティングキャンペーンの検索ワードレポートを確認し、そこで得られた実際の検索語データをマニュアルターゲティングの精緻化に活用する使い方が案内されています(出典:Amazon Ads公式ガイド「スポンサープロダクト広告のターゲティングガイド」advertising.amazon.com/library/guides/targeting-with-sponsored-products・確認日:2026-07-29)。見るべき列は「クリック数」「注文数」「ACoS」「インプレッション数」の4つで、いずれか1つだけで判断せず、クリックとCVの有無をセットで確認したうえでACoSを見る、という順番が実務的です。マニュアルターゲティングの部分一致・フレーズ一致グループについても、同様に実際にヒットした検索語を確認する運用が必要です。

除外KWのチェック頻度|週次か日次か

自社運用であれば週次の確認で十分です。広告運用を専業で担う立場では、設定変更の当日・翌日・その後も毎日というペースで見ることがありますが、これは異常値の早期発見が目的で、日常的な除外判断そのものは週単位のデータでも成立します。逆に、頻度を上げすぎてクリック数が十分たまる前に切ってしまうと、これから伸びる可能性のある検索語まで消してしまうことになります。

大型セールの前後は検索傾向が短期間で変わりやすいため、通常運用よりも重点的にチェックするタイミングを事前に決めておくと管理しやすくなります。年間のセール時期を先に把握しておき、その前後だけ確認頻度を上げる、という組み方が無理がありません(参考:Amazonセール年間スケジュール2026年版|プライムデー終了後、次のセールはいつ?公式日程まとめ)。北海道・札幌のように季節性のある商材(雪対策用品や観光土産など)を扱う事業者では、季節の立ち上がり時期に検索語が大きく変わることがあるため、その前後は特にチェックの間隔を詰める価値があります。

除外と「昇格」は同じ検索語データの表と裏

除外キーワードは、単独の作業として切り出すよりも、オートターゲティングの検索語をマニュアルターゲティングへ昇格させる作業とセットで運用したほうが判断がしやすくなります。同じ検索ワードレポートを見ながら、クリックが十分たまってCVがあり効率も良い検索語はマニュアルの完全一致に昇格させ、クリックが十分たまってもCVが伴わない検索語は除外する、という振り分けです。オートターゲティングを止めてマニュアルだけに寄せてしまうと、この「新しい検索語を発見する窓口」自体がなくなってしまうため、除外を進める場合もオートターゲティングは残し、定期的に同じレポートを両方の目的(昇格候補の発見・除外候補の発見)で確認する運用が実務的です。

完全一致とフレーズ一致、除外はどちらを使うか

Amazon Ads公式ガイドによれば、除外キーワードの一致タイプは「除外キーワードのフレーズ一致」と「除外キーワードの完全一致」の2種類で、除外側に部分一致(ブロードマッチ)は用意されていません(出典:同ガイド・確認日:2026-07-29)。フレーズ一致は、指定した語句を含む検索語であれば広く出稿を止めるのに対し、完全一致はその検索語自体(と表記ゆれ程度の近い語)だけをピンポイントで止めます。

使い分けの考え方としては、「この検索語1つだけが明確に筋が悪い」と判断できる場合は完全一致、「この語句を含む検索は総じて筋が悪い」と判断できる場合はフレーズ一致、という順番で検討します。フレーズ一致は影響範囲が広いぶん、その語句が別の文脈で良い意味を持つ可能性がないかを先に確認してから設定するのが安全です。判断に迷う段階では、まず完全一致で個別に止めてデータを見ながら、パターンが繰り返し出てくるようであればフレーズ一致に広げる、という進め方が手戻りが少なくなります。

キャンペーン単位と広告グループ単位、除外はどちらでかけるか

除外キーワードは、キャンペーン単位(キャンペーン設定内の「除外キーワード」タブ)と広告グループ単位(各広告グループの「除外ターゲティング」タブ)のどちらでも設定できます(出典:Amazon Ads公式ガイド・確認日:2026-07-29)。使い分けの考え方はシンプルで、そのキャンペーン内のどの広告グループ(どの商品)でも共通してノイズになる検索語はキャンペーン単位でまとめて除外し、ある商品には合わないが別の商品には合う可能性がある検索語は、広告グループ単位で個別に除外します。キャンペーン単位で広く除外をかけすぎると、後から「実はあの商品には合っていた」検索語まで一括で止めてしまうリスクがあるため、判断に自信が持てない語はまず広告グループ単位から始めるほうが安全です。

除外してはいけないケース

除外キーワードは効果が見えやすい反面、切りすぎると新しい伸びしろまで摘んでしまいます。特に次の3つは、数値だけを見て機械的に切らないよう注意してください。

  • 学習期間中のキーワード・広告グループ:立ち上げ直後でクリック数がまだAmazon Ads公式ガイド推奨の評価ライン(20回以上)に届いていない段階は、判断材料そのものが不足しています。早い段階でCVがゼロでも、それだけで筋の悪い検索語と決めつけず、まずはデータが揃うまで待つ判断が基本です。
  • 指名(ブランド)キーワード:自社のブランド名や型番での検索は、一時的にCPCやACoSの数字が悪く見えることがあっても、他社への流出を防ぐ防衛的な役割を持ちます。指名検索の枠を手放すと、その流入を競合に明け渡すことにつながるため、単純なACoS基準では判断しません。
  • 上位表示の入口になっているキーワード:単体のACoSが目安を超えていても、その検索語経由の表示・購入が商品ページ全体の検索順位や販売実績の底上げに寄与している場合があります。そのキーワードを止めた場合に自然検索側の順位や販売数がどう動くかも合わせて考えたうえで判断してください。

除外した後に確認すること

除外キーワードを設定して終わりにせず、次の点を続けて確認します。

  • 最低2週間は様子を見る:Amazon Ads公式ガイドでは、除外キーワードを2週間以上実行してから戦略の見直しを検討することが案内されています(出典:Amazon Ads公式ガイド「スポンサープロダクト広告のターゲティングガイド」advertising.amazon.com/library/guides/targeting-with-sponsored-products・確認日:2026-07-29)。除外した直後の数日だけで良し悪しを判断せず、最低2週間分のデータが揃ってから次の対応を検討してください。
  • 設定が意図どおり反映されているか:対象キャンペーン・広告グループの表示回数やクリック数が、除外後に想定どおり減っているかを確認します。
  • 全体への影響:ACoSが改善しても、販売数の絶対値まで下がっていないかを見ます。除外はACoSという比率の改善であり、目的はあくまで広告費対効果の適正化です。売上の絶対額を落とすための施策ではありません。
  • 商品ページ側の要因:除外を重ねてもACoSが改善しない場合、原因がキーワード側ではなく商品ページ(商品登録の内容・画像・在庫状況)側にあることもあります。そもそも商品登録自体が正しく反映されていないケースもあるため、広告の数値だけで完結させず商品ページ側も点検してください(参考:Amazonセラーで商品登録がされない原因)。
  • 意図しない巻き込みがないか:フレーズ一致で広めに除外した場合、次のメンテナンスのタイミングで、良かったはずの検索語まで巻き込んで減っていないかを確認します。
  • 販売数の絶対値:ACoSが改善していても、アカウント全体の広告経由・自然検索経由を合わせた販売数が下がっていないかを確認します。比率としてのACoSが良くなっても、売上や販売個数の絶対値が縮小していては、除外の狙いとずれてしまいます。

除外キーワードと除外商品ターゲティング(ASIN)の違い

Amazon Ads公式ガイドでは、商品ターゲティングにおいて特定のASIN(商品)の商品詳細ページに広告が表示されないようにする「商品の除外リスト」の機能が案内されています(出典:同ガイド・確認日:2026-07-29)。これは検索語をブロックする除外キーワードとは対象が異なり、「特定の競合商品ページへの表示」を止める仕組みです。実務での使い分けとしては、検索語そのものが筋の悪いものであれば除外キーワード、特定の競合ASINの商品ページへの表示だけを止めたい場合は除外商品ターゲティングを使います。オートターゲティングでは検索語への出稿と競合ASINへの出稿の両方が同時に発生するため、レポートを見る際はどちらの要因で数値が悪化しているのかを分けて確認する必要があります。

よくある質問

除外キーワードはどのくらいの頻度で見直せばよいですか?

自社運用であれば週次の確認で十分です。専業で運用する場合は設定変更直後だけ日次で異常値を確認し、通常運用は週次〜月次のメンテナンスサイクルに組み込むのが実務的です。大型セールの前後は検索傾向が変わりやすいため、その時期だけ確認間隔を詰めることをおすすめします。

ACoSが何%を超えたら除外すべきですか?

クリック数が20回以上たまってから評価するという開始ラインは、Amazon Ads公式ガイドの推奨事項です(出典:Amazon Ads公式ガイド「スポンサープロダクト広告のターゲティングガイド」advertising.amazon.com/library/guides/targeting-with-sponsored-products・確認日:2026-07-29)。そのうえでACoSが概ね50%を超えるかどうかは、現場でよく使われる判断ラインであり、Amazon公式が定めた基準ではありません。適正なACoSの水準は商材や利益率によって異なるため、自社の平均ACoSや過去実績と比較したうえで判断してください。

完全一致とフレーズ一致、除外はどちらを優先すべきですか?

Amazon Ads公式ガイドでは除外の一致タイプとして完全一致とフレーズ一致の2種類が案内されています。判断に迷う段階ではまず完全一致で個別に止め、同じ傾向の検索語が繰り返し出てくる場合にフレーズ一致へ広げる、という順番が手戻りの少ない進め方です。

除外キーワードと除外商品ターゲティングは同じ画面で設定できますか?

どちらもキャンペーン・広告グループの除外設定から行えますが、対象が異なります。除外キーワードは検索語をブロックし、除外商品ターゲティング(ASIN)は特定の商品詳細ページへの表示をブロックします。数値が悪化している要因がどちらなのかを分けて確認したうえで設定してください。

除外キーワードだけでACoSは改善しますか?

除外キーワードは無駄な支出を止める調整であり、ACoS改善の打ち手の一つです。ただし、除外を重ねても改善しない場合は、原因が検索語ではなく商品ページ側(登録内容・画像・在庫状況)にあることもあります。除外の設定と並行して、オートターゲティングで見つかった良い検索語をマニュアルへ昇格させる作業もセットで行うと、支出を削るだけでなく効率の良い検索語への配分も進みます。

まとめ|除外キーワードは広告費配分を絞り込む作業

除外キーワードの判断は、クリック数とACoS・注文の有無を組み合わせて見ること、学習期間中・指名キーワード・上位表示の入口になっているキーワードは即座に切らないこと、そして除外した後も全体への影響と商品ページ側の要因を確認し続けることの3点に集約されます。除外はACoSという比率を良くする調整であって、販売数の絶対値を減らすための施策ではない、という前提を忘れないことも重要です。週次〜月次のメンテナンスサイクルに組み込んで、除外と昇格の両方を淡々と続けることが、結果としてACoSの改善につながります。

除外キーワードの運用体制の作り方や、広告アカウント全体の点検について相談したい方は、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA