札幌から台湾進出!現地法人なしでShopeeを活用してテストマーケティングを行う手順

「台湾へ進出したいが、現地法人を作る資金も人脈もない」
「まずはリスクを抑えて、自社商品が台湾で通用するか試したい」

札幌市内の中小企業の経営者様から、このようなご相談を頻繁にいただきます。
かつて海外進出といえば、現地視察を重ね、法人を設立し、倉庫を契約する…といった数千万円規模の投資が必要な一大プロジェクトでした。しかし、EC市場の成長によりその常識は覆されています。

特に、台湾でのEC市場規模は約1.3兆円(日本の約1/20ですが成長率は高い)に達し、親日性が非常に高いのが特徴です。その中で、台湾人の90%超が利用している怪物モール「Shopee(ショッピー)」を活用すれば、札幌にいながら、現地法人を作らずに、今すぐ台湾の消費者に商品を届けることが可能です。

この記事では、私たち株式会社Entechが数多くの道内企業様をご支援する中で実践している、Shopeeを活用した「失敗しないテストマーケティング」の具体的な手順と、単に「出すだけ」で終わらせないための戦略を解説します。

なぜ札幌の中小企業に「Shopee(ショッピー)」が最適なのか?

台湾進出の第一歩として私たちがShopeeを強く推奨する理由は、「初期リスクの低さ」と「圧倒的な集客力」の2点に尽きます。

独自ドメインで越境ECサイト(自社サイト)を構築する場合、制作費だけで数百万円かかることも珍しくありません。さらに、そこにお客さんを呼ぶための広告費が毎月発生します。これは「無人島に豪華な店を建てる」ようなもので、集客の難易度が極めて高いのです。

現地法人なしで「越境販売」ができる仕組み

一方でShopeeは、日本でいう「楽天市場」のように、すでに購入意欲の高いユーザーが集まっている場所です。
Shopeeには「越境販売(Cross Border)」という枠組みが用意されており、日本(札幌)に拠点を置いたまま、台湾のShopeeサイト上に商品を出品し、注文が入ったら日本から発送するというフローが確立されています。現地の銀行口座や法人登記は一切不要です。

まずはこの仕組みを使って、「本当に売れるのか?」をテストすることが、成功への最短ルートです。

【5ステップ】Shopeeでテストマーケティングを始める手順

それでは、実際に札幌からShopee台湾での販売を開始するまでの流れを、実務ベースで解説します。

ステップ1:日本越境セラーとしてアカウント申請

Shopee Japanの公式サイトから、越境セラーとしてのアカウント申請を行います。必要なものは主に「開業届(または履歴事項全部証明書)」と「身分証明書」です。審査が通れば、すぐに管理画面(セラーセンター)にアクセスできるようになります。

ステップ2:商品登録と「バリュープロポジション」の定義

ここが最大の落とし穴です。多くの企業が「日本の商品ページを翻訳しただけ」で終わってしまいます。
しかし、Entechが支援する際は、必ず
「バリュープロポジション(顧客が望み、競合が提供できず、自社だけが提供できる価値)」を再定義します。

  • 翻訳: 「北海道産」は「北海道產」とするだけでなく、「日本直送」「空運(空輸)」といった、現地の人が価値を感じるキーワード(タグ)を盛り込みます。
  • 画像: 台湾のECはスマホ閲覧がメインです。文字を詰め込みすぎず、一瞬で「シズル感」が伝わる画像を選定します。

ステップ3:配送設定(SLSの活用)

北海道の企業がつまずきやすいのが物流ですが、Shopee独自の配送サービス「SLS(Shopee Logistics Service)」を利用することで解決できます。
この仕組みを使えば、私たちは
日本の指定倉庫(東京や大阪など)に商品を送るだけでOK。そこから先の台湾への空輸・通関・現地配送はすべてShopee側が代行してくれます。

ステップ4:店舗装飾(ショップデコレーション)

トップページには、雪景色や札幌の時計台、牧場の写真などをバナーに使用し、視覚的に「北海道のお店であること」を伝えます。台湾の方はビジュアル重視で買い物をする傾向があるため、ブランドの世界観作りは必須です。

ステップ5:少額予算での広告運用とデータ収集

商品を出しただけでは埋もれてしまうため、Shopee内の検索連動型広告を使います。
「北海道 お菓子」「札幌 土産」などのキーワードに対し、少額で広告を出稿します。ここで重要なのは売上だけでなく、「どのキーワードのクリック率が高いか」というデータを集めることです。

北海道から配送する場合の「物流コスト」攻略法

札幌からテスト販売を行う際、もっとも注意すべきは「国内送料(札幌→Shopee国内倉庫)」の扱いです。

SLSを利用する場合、Shopeeの国内倉庫までの送料は出店者(私たち)の負担となります。「札幌から東京の倉庫へ、注文が入るたびに1個ずつ送る」のでは、国内送料だけで利益が吹き飛びます。

利益を残すための物流設計

私たちはコンサルティングの中で、以下のような対策をご提案しています。

  1. リードタイムの調整とまとめ発送:
    発送までの期限設定を少し長めに取り、週に2回まとめて東京倉庫へ発送することで、1個あたりの国内送料を分散させる。
  2. メール便・レターパックの活用:
    商品の厚みを調整し、安価な追跡可能便で送れるパッケージに変更する。

「物流設計」はECの利益率(営業利益)に直結します。ここを計算せずにスタートするのは危険です。

「出すだけ」では売れない?Entech流・プラスαの戦略

Shopeeは確かに集客力がありますが、ただ商品を並べるだけでは、安売り競争に巻き込まれる可能性があります。
そこで私たちは、テストマーケティングの段階から以下の視点を持つことを推奨しています。

1. 台湾現地のインフルエンサー(KOL)活用

資料でもご紹介している通り、台湾市場では「口コミ」や「誰が薦めているか」が購買決定に大きく影響します。
Shopeeに出品しつつ、現地のマイクロインフルエンサー等に商品を紹介してもらい(弊社提携の「Cast Me!」などを活用)、SNSからShopeeページへ誘導する動線を作ると、初速が劇的に変わります。

2. テスト結果を次の「クラウドファンディング」へ繋げる

Shopeeでの反応が良ければ、次は台湾最大のクラウドファンディング(ZecZecなど)や、自社ECサイト(Shopify)の構築へステップアップします。
実際に弊社が支援したC社様は、このステップを踏むことで売上3.2倍を達成しました。Shopeeはゴールではなく、あくまで「市場性を確認するための入り口」と捉える戦略が有効です。


まとめ:まずは「アカウント開設」から始めよう

札幌から台湾進出を成功させる手順をまとめます。

  1. 現地法人は不要: Shopeeの越境アカウントでスモールスタート。
  2. 翻訳+α: 価値(バリュープロポジション)を現地向けに変換する。
  3. 物流はSLS: 北海道からの国内送料を抑える工夫をする。
  4. データ重視: 売上だけでなく、クリック率や顧客の反応を見る。

「準備が完璧に整ってから」と考えていると、変化の早い台湾市場ではチャンスを逃してしまいます。まずは数商品だけでもShopeeに並べてみて、台湾のお客様の反応を肌で感じてみてください。

私たち株式会社Entechは、単なる「アカウント運用代行」ではありません。
市場調査からコンセプト設計、物流構築、そして現地PRまで一気通貫で支援できる点が強みです。

「自社の商品は台湾で通用するのか?」
「物流コストのシミュレーションをしてほしい」
そのような疑問をお持ちの方は、ぜひ一度、毎月5社限定の「無料越境EC診断」をご活用ください。札幌の地で、貴社の海外挑戦を具体的にサポートいたします。

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